所沢狭山茶の新茶(一番茶)について
埼玉県は他の茶の主要生産地にくらべて冷涼な場所にあります。 鹿児島のような温暖な地域にくらべて茶園が冬の寒さに遭いやすいなどのマイナス点も ありますが、一般的に他の産地に比べておいしいお茶ができるといわれています。
まずお茶についてほとんど知識のない人のためにホントに基本的なことからお話してい きますと、お茶というのは秋の後半から冬にかけてはお茶の芽が伸びない休眠時期に入っています(鹿児島南の島や沖縄は別ですが)。
そして春になりますと再び芽が動き始めます。狭山茶の場合お彼岸前後に茶園の面を均 一にそろえる株ならしという作業の後一斉に芽がのび始めますがそれを4月下旬から5月上旬に摘みとる作業をします、そこでとれた芽が「一番茶」です。
一番茶の摘み取る時期ですがお茶の場合品質と収量がある程度の時期までは相関します がそれ以降は収量が増加すると品質が落ちます、そこでいかにしてそこ最適な収穫時期を判定する様々な栽培技術があります。
その主な物を挙げますと
- 萌芽:冬の間、固い冬芽でじっと寒さに耐えてきたお茶の芽は、春になると力強く芽吹いてきます。このような芽の状況を萌芽といいます。これがなぜ重要かといいます と、この時期からのお茶が摘めるまでの時期が判断できるからです。埼玉県ではだいたい 萌芽からお茶が摘めるまで24日程度です。
- 出開き度:お茶に限らず広葉樹の植物では芽がふくらんできて葉が一枚一枚開いていきますが、その芽の葉が全て開いてしまった状態を出開きといいます。一般的に茶園の芽 の90%以上が出開くと品質が急速に低下するといわれており、その前に自分の作りたい 品質収量に応じて一番茶を摘みます。
- 開葉数:先ほど述べた中にもありましたが茶園の平均的な茶の芽の開いた葉の枚数か らも判断できます、だいたい4.5枚程度が最適といわれています。
- 硬化・葉色:お茶の芽の硬化・葉色からも判断できます、しかしこれは品種や普段の 管理状態による差があまりにも大きいので感覚的なものになります。
一番茶は日本国内でのお茶に携わっている関係者にとっては一番重要なものであり、この 一番茶のために一年間働いているといっても過言ではありません。
茶農家は一番茶の摘む 時期の特定、摘んできた芽を良質なお茶にする技術向上のために日夜がんばっています。